定期保険

定期保険【基礎知識】

T.Kinoshita
2012/01/01


定期保険は名前のとおり一定の期間のみ保障する保険です。

たとえば30才から10年などの期間を定めて加入します。 40才まで生存していた場合支払った保険料はすべて掛け捨てとなります。 生存している人が大変多いのでこの保険のことを「掛け捨ての生命保険」などとも言います。

保険会社のほうから見た場合その期間中契約者が生存していてくれれば、保険料はすべて取りきりとなります。 若い期間、例えば30才から40才までの保険期間10年の定期保険は、その期間中に死亡する人の数は極めて少ないので保険料はとても安くなります。
当たりくじの少ない「宝くじ」ですので、安いと考えれば分かりやすいのではないでしょうか?当たる確立はきわめて低いものとなります(死亡する確率がとても低いので、保険金を受け取れる確率はとても低くなると考えれば分かりやすいでしょう)

ということは・・70歳で加入する、保険期間10年(80才まで)の男性の定期保険は、「当選確率」がとても高いものになります(この期間中の死亡確率はとても高い)ので、保険料はとても高いものになります。

定期保険は掛け捨てだから一律に保険料が安いと考えるのは間違いです。

年令が高くなれば掛け捨てになる確率はどんどん低くなります(保険金を受け取れる確率がどんどん高くなる=保険会社の方から見ると保険金を支払う確率がどんどん高くなる)=宝くじで言えば、当選確率がどんどん高くなるので、保険料はどんどん高くなります。

定期保険は若い期間の一定期間、たとえば子供が成人するまでの20年間などの期間を、本当に万一の事態に安く備える保険と考えた方が間違いはありません。

※「長期の定期保険」(100歳までなど)は異なった特徴がありますので、別途解説します。

ちなみに、このたとえで言えば終身保険は「必ず当たる宝くじ」だと言えます。100%当たるので「胴元」の保険会社は保険料を高く設定しています。


「満期」と「自動更新」

定期保険には前述のとおり「保険期間」があります。保険期間の満了を「満期」といいます。
満期が到来すると保険の効力は消滅します。しかしそのままにしておくと自動的に更新します=自動更新制度。
最初に加入した保険と、同じ保険期間、同じ保険金額で再契約が自動的に(無診査で)行われます。ただし保険料は更新時の年令で再計算されたものとなりますので、保険料は確実に高くなります。
30才で加入した保険期間10年の定期保険であれば更新時の保険料はおよそ1.8倍。さらに10年経過して50歳で更新する場合はおよそ2倍(加入時との比較で言えば1.8倍×2.0倍で3.6倍となります)

満期直前に重病にかかったり、瀕死の状態になった場合で、満期までに死亡しなっかった場合、この自動更新制度がなかったらと考えるとぞっとしますね。
このような場合自動更新制度はとてもありがたい制度となりますが、高年齢時でこのような事態になった場合注意が必要です。なぜなら自動更新制度は無期限に存在しないからです。ある一定の年令を超えると更新できなくなります。 満期直前に重病にかかったり、瀕死の状態になった場合で、満期までに死亡しなっかった場合という事態はまれなケースと考えられますが、ありえない話ではありません。特に高年令時では充分ありえます。 更新ができない状態で1日や2日の違いで保険金が受け取れないとしたら・・、それまで支払った保険料はすべて掛け捨てとなりますので、ぞっとすると考えるのは私だけでしょうか?

高年齢で定期保険を検討するにはこの様な事態も頭に入れて検討する必要があります、より一層の慎重な姿勢が必要になりますよね。

あなたが保険会社の外交さん(もしくは代理店さん)だったらお客さんに勧めますでしょうか?

「更新」という制度は定期保険特有のしくみです。
よ~~~く理解しておく必要があります。
最初に保険期間10年で加入した場合、次回の更新で20年の保険にすることはできません。
また、通常最後の更新では半端な年数の保険となる可能性があります。その保険会社ですべての端年数の保険が用意されていなかったらどうなるのでしょうか?実際には更新限度年令より早く更新不可能になってしまう可能性もあるのではないでしょうか?
歳満期、期間の長い定期保険と自動更新の関係にも注意が必要です。
詳細は各保険会社によ~~~く説明を求めてください。
更新のしくみは「定期の入院保険」「定期のガン保険」「定期の三大疾病保険」・・あるいは定期の特約などすべてに共通のしくみです。
「更新」についての考え方は大変重要と考えますのでセクションを改めて触れて見たいと思います。

「保険期間」と「保険料」と「保険料支払い期間」

ここでは保険期間10年の例で話をして来ましたが、その理由は販売されている定期保険の多くが保険期間10年の定期保険であるからです。保険期間は15年、20年、25年・・という風に決めることもできます。また「歳満期」といって60歳まで、70歳まで・・など年令で満期を決めることもできます。
定期保険(超長期の定期保険をのぞく)は保険期間と保険料支払い期間が同じです。ですから25年の定期保険なら、保険料の支払い期間も25年ということになります。
当然保険期間中の保険料は変わることは有りません。
途中で保険料改定があって保険料が安くなっていても、新規に加入する人は安いレートで加入できますが、既に加入している人の保険料が自動的に安くなることはありません。また高くなることもありません。
保険料は同じ保険金額(補償額)でも、保険期間によって変わります。荒っぽい説明ですが、保険料は加入時の年令の「自然保険料」と満期時の年令の「自然保険料」の加重平均と考えられますので、保険期間が長くなる(満期年令が高くなる)と保険料は高くなります。ただ、同一期間を全期で加入する場合と、小刻みに更新する方法では結果的に全期で加入した方が総支払い保険料は多少安くなります。

定期保険の種類

くどいですが、保険期間を定めた保険の掛け方が定期保険です。
ここまで理解できると「この保険は定期ですか?終身ですか?」と聞けば保険のイメージが頭にわくようになりますね。保険料がなぜ高いのか、なぜ安いのかも理解できるようになりますね。

医療保険やガン保険、あるいは三大疾病保険、あるいは各種の特約も同じです。
「この入院保険は定期ですか?終身ですか?」「このガン保険は定期ですか?終身ですか?」「この特約は定期ですか?終身ですか?」と簡単な問いかけをするだけで保険のイメージが頭にわくようになりますね。保険料がなぜ高いのか、なぜ安いのかもおよそ理解できるようになりますね。

定期保険にはいろいろなバリエーションがあります。

リスク細分型定期保険
逓減定期保険
収入保障保険
・・・
これらを活用すれば更に定期保険をリストラ可能です。

また、「超長期定期保険」や「低解約型長期定期保険」などを活用すれば資産形成機能を持たせることもできます。