ごあいさつ

下の図をご覧下さい。これは主要先進国の「個人金融資産残高の構成比」です。(日本銀行ホームページより抜粋)
この図は『お金は銀行に預けるな』(勝間和代著、光文社新書)にも掲載されています。今とても売れっ子の勝間さんはこの図で、日本人がいかに多くの資産を預金にしているかを説明するために使っています。日本人の貯金(預金)好きがよくわかります。

私たちは別の角度からこのグラフを見てみました。
よく見るとある事に気が付きませんでしょうか?
それは「保険・年金準備金」の割合です。「日本人は保険好き」と言われて、資産のうち保険に支払っている割合は他の先進諸国に比べて多いはずです。
それでも、「保険・年金準備金」の割合を見ると諸外国と比べて突出しているわけではありません。
ところが、英国を見ると「保険・年金準備金」の割合は、日本の「現金・預金」とほぼ同じ割合で、資産の50%以上を占めています。イギリス人が特に保険好きというのは聞いたことがありません。それでも、資産のうち「保険・年金準備金」の割合が多いのはどうしてでしょうか?

日本での生命保険の世帯加入率は90%といわれています。にもかかわらず個人資産に占める「保険・年金準備金」の割合は米国、フランス、ドイツより少ない27%なのは何故なのでしょうか。

私たちはなぜこのようになってしまったのかを皆さんと一緒に考えたいと思いました。

生命保険文化センターのデータでは日本の生命保険の世帯加入率は89%です。世帯あたりで支払っている保険料は月額平均で29000円となっています。
生命保険には貯蓄機能があります、にもかかわらず多くの方はこの貯蓄機能を活用せずに、掛け捨て主体の生命保険に加入しているという事です。
貯蓄好きの日本人が好んで掛け捨ての保険を選んでいるとは考えられません。では一体どうしてなのか? 保険の、中でも保険の貯蓄機能に関する正確な情報や知識が伝えられていないのではないかと考えました。

では日本人は保険の貯蓄性には無関心なのでしょうか?違います。日本では保険の貯蓄機能を活用しているのは法人(企業)なのです。
法人に関しては、どの保険会社も保険の貯蓄性に関する情報を充分に提供しているのです。つまり貯蓄性の高い低いといった事、言い換えれば運用力の大小が法人での保険選択の重要な要素になっているので、保険会社は貯蓄率の高さを競って提供しているのです。その結果法人は保険の貯蓄性を充分に活用しています。
保障のほうは誠に単純化された合理的な保険が提供されているのです。

では個人に対してはどうでしょうか?なぜこのような情報があつまらないのでしょうか?
保険会社にとって貯蓄性の高い保険など個人に一生懸命すすめても金にならないのでしょうか?
皆さんにも一緒に考えていただきたいと考えました。

個人に対して情報開示が少ない日本の大手生命保険会社

早稲田大学の上田教授の著書『英国の保険マーケティング』(保険毎日新聞社)によると、イギリスの保険に対する情報開示はとても進んでいるようです。
1例で言えば、イギリスでは、保険の募集人は仲介手数料も開示しなければなりません。つまり保険を販売する営業マンが、自分の受取る手数料を契約者に開示しなければならないのです。
さらに手数料によって投資利回りがどれだけ低下するかも説明しなければなりません。

正確な情報が適切に与えられれば個人でも保険の活用方法、選択方法が判るようになります。企業と同じように保険をフルに活用できるようになるのではないでしょうか?
その結果金融大国イギリスでは個人でも預金などよりも保険に資産を配分する割合が高くなっているということがいえるのではないでしょうか。(英国は保険発祥の地としても有名です。保険会社は500社以上あるといわれています。)

そんなことを考えるきっかけにしていただきたいと思い、このサイトを立ち上げました。
私たちの思いをこのサイトだけで充分にはお伝えすることはできないでしょう。
十分な資金もありません。WEBページ作成の専門スタッフもおりません。
しかし、「できるだけ具体的にわかり易く」かつ「誇張せず」を基本として運営していきたいと思っています。
具体的な「保険選び」のアシストもしていけたらと考えています。